2026/10/16 18:29
エンタメ総合
NEW 夏の本ランキングを振り返り、村上春樹『夏帆』や林真理子のエッセイがランクイン【オリコンBiZトーク】
オリコン7月月間ランキングTO10 オリコンBiZトークより
ヒット作が多く発売された夏の出版業界。2026年7月の月間BOOKランキングを振り返ると、村上春樹の最新長編や、林真理子のエッセイなど、個性的な作品が数多くランクインした。オリコンが調査する売上データをもとに、社会トレンドを客観的な立場で分析する「オリコンBiZトーク」では、上位作品についてその魅力や興味深いポイントを詳しく解説した。
2026年7月のオリコン月間BOOKランキングでは、村上春樹の『夏帆 -The Tale of KAHO-』(新潮社)が第1位を獲得した。月間で20万部以上を売り上げる圧倒的な強さを見せた。第2位には、プログラミングやAI、恐竜にまつわる疑問を楽しく学べるシリーズの最新作『つかめ!理科ダマン 12 最強ロボット決戦!編』(マガジンハウス)がランクインした。第3位は、林真理子の『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』(幻冬舎)である。第4位は背筋の『目が』(ポプラ社)、第5位は尾田栄一郎原作、江坂純小説の『ONE PIECE novel ZORO』(集英社)が続いた。
26年7月のオリコン週間BOOKランキングの推移を見ると、第1週である7月13日付と第2週の20日付では、『夏帆 -The Tale of KAHO-』が2週連続で1位を獲得した。第3週の27日付と第4週の8月3日付では、『つかめ!理科ダマン 12 最強ロボット決戦!編』がシリーズ12作目にして初の2週連続1位となった。そして、最終週の8月10日付では『地球の歩き方 スター・ウォーズ』(地球の歩き方)が1位を獲得している。「地球の歩き方」シリーズは、近年さまざまなコラボレーション企画本を出版しており、本作もロケ地情報や作品の歴史、名シーンの解説などが盛り込まれた興味深い内容となっている。
月間1位となった村上春樹の『夏帆 -The Tale of KAHO-』は、女性を主人公にした初めての長編小説である。「正直言って君みたいな見にくい相手は初めてだよ」と、26歳の絵本作家である夏帆が、初対面の男にいきなり暴言を吐かれるという衝撃的な場面から物語は幕を開ける。飛び切り美しくも賢くもなく、ただ少しばかり運の強い彼女の周りで、実にさまざまな奇妙な出来事が起こり始めるというあらすじである。
作中には、佐原という砂漠のような名前を持つモーターサイクルの男や、しゃべるアリクイなど、個性豊かなキャラクターが次々と登場する。特にアリクイは、夏帆に対して「武蔵境に引っ越しなさい」と勧めたり、白アリを密輸入して食べようとしたりするなど、ユーモラスで不思議な存在感を放っている。現実世界の中に非現実的な要素が入り交じる村上特有の構成であるが、文章自体は非常に軽快で読みやすい。主人公が不思議な世界に入り込み、さまざまな試練を与えられながら課題を解決していく冒険物語のような側面も持っている。家族間の愛や、キャラクターたちに導かれながらも自分の道を切り開いていく主人公の姿など、多くの読みどころが詰まった約350ページの作品である。
一方、月間3位にランクインした林真理子の『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』は、5月27日の発売以降、ロングセラーとなっている。新書としては自身最多となる13週連続1位を記録し、8月24日付の週間BOOKランキングではついに総合1位を獲得した。累計発行部数も10万部を突破している。
72歳の人気作家である林が、健康、おしゃれ、仕事、お金、人間関係、趣味について本音で語るエッセイである。確実に来るその日を見つめ、今の1分1秒を楽しんで生きるための人生論が、細かな章立てで丁寧に綴られている。例えば、ペットボトルのキャップが開けられなくなった際、容器が硬くなったからではなく、自分自身の筋力が落ちたのだと気づくエピソードが紹介されている。世の中が変わったのではなく、自分自身が老いて変化していることを自覚すべきだという、言われればその通りであるがなかなか気づけない洞察が含まれている。
さらに、「人生を愉しまずに逝ってはいけない」という言葉からは、単にのんびり生きるのではなく、計画的かつエネルギッシュに人生を楽しむ著者の姿勢がうかがえる。また、「経営者が書いた本を鵜呑みにしてはいけない」という指摘もあり、本から得た知識だけでなく、自らの経験や体験を積み重ねることの重要性が説かれている。また「働く辛さはまだ捨ててはいけない」と、働くことの辛さの中にも、自分なりに工夫して楽しむことの大切さが語られている。シニア世代はもちろんのこと、現役世代にとっても、今後の人生をどのように生きるべきか、多くの気づきを与えてくれる一冊である。
このように、7月のランキングは多彩なジャンルの作品が上位を彩った。読者の年代や状況によって受け取り方が変わる作品も多く、本を読むことで得られる多様な視点や楽しみ方を改めて感じさせる結果となった。次回のランキングでも、どのような作品が読者の関心を集めるのか注目していきたい。
26年7月のオリコン週間BOOKランキングの推移を見ると、第1週である7月13日付と第2週の20日付では、『夏帆 -The Tale of KAHO-』が2週連続で1位を獲得した。第3週の27日付と第4週の8月3日付では、『つかめ!理科ダマン 12 最強ロボット決戦!編』がシリーズ12作目にして初の2週連続1位となった。そして、最終週の8月10日付では『地球の歩き方 スター・ウォーズ』(地球の歩き方)が1位を獲得している。「地球の歩き方」シリーズは、近年さまざまなコラボレーション企画本を出版しており、本作もロケ地情報や作品の歴史、名シーンの解説などが盛り込まれた興味深い内容となっている。
月間1位となった村上春樹の『夏帆 -The Tale of KAHO-』は、女性を主人公にした初めての長編小説である。「正直言って君みたいな見にくい相手は初めてだよ」と、26歳の絵本作家である夏帆が、初対面の男にいきなり暴言を吐かれるという衝撃的な場面から物語は幕を開ける。飛び切り美しくも賢くもなく、ただ少しばかり運の強い彼女の周りで、実にさまざまな奇妙な出来事が起こり始めるというあらすじである。
作中には、佐原という砂漠のような名前を持つモーターサイクルの男や、しゃべるアリクイなど、個性豊かなキャラクターが次々と登場する。特にアリクイは、夏帆に対して「武蔵境に引っ越しなさい」と勧めたり、白アリを密輸入して食べようとしたりするなど、ユーモラスで不思議な存在感を放っている。現実世界の中に非現実的な要素が入り交じる村上特有の構成であるが、文章自体は非常に軽快で読みやすい。主人公が不思議な世界に入り込み、さまざまな試練を与えられながら課題を解決していく冒険物語のような側面も持っている。家族間の愛や、キャラクターたちに導かれながらも自分の道を切り開いていく主人公の姿など、多くの読みどころが詰まった約350ページの作品である。
一方、月間3位にランクインした林真理子の『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』は、5月27日の発売以降、ロングセラーとなっている。新書としては自身最多となる13週連続1位を記録し、8月24日付の週間BOOKランキングではついに総合1位を獲得した。累計発行部数も10万部を突破している。
72歳の人気作家である林が、健康、おしゃれ、仕事、お金、人間関係、趣味について本音で語るエッセイである。確実に来るその日を見つめ、今の1分1秒を楽しんで生きるための人生論が、細かな章立てで丁寧に綴られている。例えば、ペットボトルのキャップが開けられなくなった際、容器が硬くなったからではなく、自分自身の筋力が落ちたのだと気づくエピソードが紹介されている。世の中が変わったのではなく、自分自身が老いて変化していることを自覚すべきだという、言われればその通りであるがなかなか気づけない洞察が含まれている。
さらに、「人生を愉しまずに逝ってはいけない」という言葉からは、単にのんびり生きるのではなく、計画的かつエネルギッシュに人生を楽しむ著者の姿勢がうかがえる。また、「経営者が書いた本を鵜呑みにしてはいけない」という指摘もあり、本から得た知識だけでなく、自らの経験や体験を積み重ねることの重要性が説かれている。また「働く辛さはまだ捨ててはいけない」と、働くことの辛さの中にも、自分なりに工夫して楽しむことの大切さが語られている。シニア世代はもちろんのこと、現役世代にとっても、今後の人生をどのように生きるべきか、多くの気づきを与えてくれる一冊である。
このように、7月のランキングは多彩なジャンルの作品が上位を彩った。読者の年代や状況によって受け取り方が変わる作品も多く、本を読むことで得られる多様な視点や楽しみ方を改めて感じさせる結果となった。次回のランキングでも、どのような作品が読者の関心を集めるのか注目していきたい。











