×

一覧に戻る

オリコンニュース

エンタメ総合

2026/11/03 10:30

エンタメ総合

NEW 高橋一生、穏やかな笑みが狂気に変わる 野田秀樹演出『THE BEE』本多劇場で開幕

NODA・MAP番外公演『THE BEE』(原作 筒井康隆「毟りあい」/撮影:岡本隆史)

 穏やかな表情が、いつしか恐ろしく見えてくる。高橋一生、二階堂ふみ、河内大和、川平慈英が出演するNODA・MAP番外公演『THE BEE』が2日、東京・下北沢の本多劇場で開幕した。高橋がごく普通の男の変化を緻密に演じ、観客を不穏な物語へと引き込んだ。  筒井康隆の小説「毟りあい」を原作に、野田秀樹が演出を手がける本作。ロンドン、ニューヨーク、香港、パリなど10ヶ国14都市で上演されてきた作品が、新たな4人のキャストを迎え、5年ぶりによみがえる。野田にとっては、かつて率いた「劇団 夢の遊眠社」の公演拠点だった本多劇場への、40年ぶりの帰還となる。

 高橋が演じる井戸は、どこにでもいそうな穏やかなサラリーマン。ところが、自宅に脱獄犯が立てこもり、妻子を人質に取られたことで、その日常は一変する。警察やマスコミに囲まれる中、理不尽な状況に追い込まれた男は、やがて報復へと踏み出していく。

 高橋の演技で目を引いたのは、感情の変化の細やかさだ。怒りや動揺をあらわにする瞬間に加え、落ち着いた口調や、ふとした表情にも井戸の内側がにじむ。言動を追ううちに、当初は親しみを感じさせた穏やかさまでが、不気味なものに見えてくる。とりわけ、笑みが与える印象は鮮烈だ。なぜ、その表情を浮かべるのか。その心情を理解しようとするほど、容易には受け止められない感情に触れてしまう。

 野田が「10秒に一度、何かが起こる」と表現する舞台には、目を離せない展開とともに、見る側の感情を揺さぶる仕掛けが詰まっている。386席の本多劇場という空間で、俳優たちの表情や身体、小道具、効果音の一つひとつが強い存在感を放つ。

 理不尽な被害に遭った人の怒りや、「やり返したい」という思い。その切実さを感じながらも、報復が向かう先を前に、心は揺れる。自分が受けた痛みは、他者を傷つける理由になるのか。暴力の応酬を伝えるニュースが絶えない今、その問いは舞台の中だけにとどまらない。約80分の上演を終えても、容易には答えの出ない思いが胸に残る。

 本多劇場での公演は12月6日まで、全35公演。全公演で当日券を抽選販売し、チケプラTradeでは公式リセールも実施している。
BS11 番組一覧   BS11プラス  BS11 じゅういっちゃん じゅういっちゃんハンカチ BS11 公式SNS BS11 YouTube公式チャンネル BS11 プレゼント情報  京都の特等席
BS11 2027年新卒採用「価値ある時間ヲ創造するシゴト」 BS11 じゅういっちゃん BS11公式SNS一覧 BS11 YouTube公式チャンネル BS11マガジン登録・解除 BS11 番組ガイド ダウンロード