2026/11/01 12:00
エンタメ総合
NEW 『VIVANT』別班・廣瀬を熱演 珠城りょう、“元宝塚”ではなく“俳優”として認められる喜び
日曜劇場『VIVANT』より (C)TBS
第1シーズンで抱いた悔しさが、第2シーズンの廣瀬を作る原動力になった。TBS系日曜劇場『VIVANT』第2シーズン。主人公・乃木憂助(堺雅人)らが所属する、自衛隊直轄の非公認組織「別班」の一員・廣瀬瑞樹を演じる珠城りょう。第1シーズンでの経験を経て、成長した姿を見せたいと第2シーズンに臨んだ。ここまでの撮影秘話や、堺雅人、二宮和也、松坂桃李との芝居を通して感じたことを聞いた。
■「一人の俳優として見てほしい」悔しさを糧に
――第 2 シーズンに入るにあたって、特に意識したことは?
第 2 シーズンに入る時に強く思っていたのは、「第 1 シーズンの時から成長したところを見せたい」ということでした。
第 1 シーズンでは、別班員としての立ち方や、セリフの言い方についていろいろ指導していただきました。別班員として登場する女性が私一人だったこともあって、最初に登場した会議室で主要勤務歴を述べる場面でも、「立ち方がふわっとして見える」と指摘されたり。当時はまだドラマの撮影現場の経験も浅くて、セリフの語尾について指摘を受けたこともありました。その時に、「宝塚(歌劇団)出身」という枠組みだけで見られているように感じたことが、自分の中ではすごく悔しくて。
――その悔しさから、撮影がない日も現場を見学していたと。
「どうしたら“珠城りょう”という一人の人間、俳優として見ていただけるんだろう」と考えました。
監督が「自分の撮影がない時も見学に来ていいよ」と言ってくださったので、骨のあるやつだなと思ってもらいたい気持ちもあって結構通いました。堺さんや二宮さんたちのお芝居を、監督が見るモニターの横で見せてもらったりしていましたね。
――その経験を経て、第 2 シーズンでは向き合い方も変わりましたか?
変わりました。第 1 シーズンでは「この方向性で大丈夫かな」と、監督が求める正解を探していた気がします。言ってしまえば、ちょっと尻込みしてしまったんです。『VIVANT』独特の世界観や撮影現場の空気に飲まれていた部分もあって、それも悔しかった。
だから第 2 シーズンは、まず自分が「こう演じたい」と思ったことをやってみる。何かリクエストされたら変えてみよう、くらいの強い気持ちで撮影現場に臨みました。今回は第 1 シーズンで指導されたことは一切言われなかったので、「少しは成長したと思ってもらえたのかな」と感じています。
――なじみのない“別班員”を、どのように作っていったのでしょうか?
別班って、実際のところどういう存在なのかはっきり分からないですよね。だから私の中では、『VIVANT』という作品における別班のあり方が正解なんです。
“別班らしさ”は何か。台本とにらめっこしながら、第 2 シーズンでは、ちょっとした気配で「何かいつもと違う」と気づくとか、そういうものをどれだけ自然に作品の中へ落とし込めるか考えていました。
――廣瀬は普段、システムエンジニアとして働いています。日常の顔との違いはどう考えていましたか?
一見普通に見える。でも「何か普通の人とは違うな」という立ち振る舞いも見えたらいい。動きや目線、セリフの言い方はすごく考えました。
■乃木を前にしてあふれた別班員・廣瀬の感情
――第 20 話、第 21 話で、乃木たちが救出に現れた場面では、別班員たちの人間らしい感情も垣間見えました。
これまで任務のために表には出さなかったけれど、別班員もやっぱり一人の人間で、当然それぞれ感情がある。その部分はしっかり見せられたらいいなと思って、演じていました。
――実際の撮影では、想像していた以上に感情があふれたのでしょうか?
気持ちが前へ前へ行きすぎて、リハーサルではセリフを噛んでしまったりもしました。それを短い時間の中で修正しながら撮っていくことも勉強になりました。
お芝居って、言ってしまえば全部“嘘”じゃないですか。私は廣瀬本人ではないし、本当にその境遇に置かれているわけでもない。でも、なぜかその瞬間は全てがリアルになる。そういう瞬間に出会うたびに、「お芝居って面白いな」「やめられないな」と思います。
■堺、二宮、松坂のさりげない気遣いに支えられて
――堺さんは、撮影現場ではどんな存在ですか?堺さんは、いつお会いしても変わらないんです。海外の慣れない土地でも疲れた顔を見せず、いつもワクワクしながら撮影現場にいらっしゃる。
今回は一人で三役を演じていらっしゃるのに、その大変さをまったく感じさせない。その姿から「自分は自分のやるべきことに集中すればいいんだ」と、背中で教えていただいている感じがします。 「あのレベルで堺さんが来るなら、自分たちはもっと上がっていかなきゃ」と思わせてくださる方です。
――乃木の義弟・ノコルを演じる二宮さんについてはどんな印象でしたか?
二宮さんは、いつお会いしてもフラットでフランクな方です。日曜劇場『マイファミリー』(2022 年)ではご一緒するシーンがなく、集合写真でご挨拶したくらいでしたが、第 1 シーズンでモンゴルでお会いした時にも「お久しぶりです」と声をかけてくださって。
普段はテレビで見ている二宮さんのイメージのままなんですけど、お芝居が始まると明確に“スイッチ”が入る。その入り方が本当に素晴らしくて、「すごい方と同じ撮影現場にいるんだな」と感じていました。
――別班員・黒須駿役の松坂さんのお芝居には、また違った印象を持ったそうですね。
桃李さんは同い年なんですけど、私はなんとなく“桃李さん”って呼んじゃう感じで(笑)。普段はすごく穏やかな方だと思います。
でも、静かなお芝居の中にも大きな熱を感じますし、ちょっとした声のトーンだけでも、重みや怒りだったり、一色ではない、いろいろな感情が静かな芝居の中から伝わってきました。第 21 話でも「こっちのことは気にしなくていいので、思いっきりやっちゃってください」と言ってくださって、それで緊張が少しほぐれました。
皆さんのさりげない気遣いや優しさに、すごく支えられました。
■俳優・珠城りょうとして認められた手応え
――これだけ“別班”という言葉が広がった今、別班員を演じていることをどう感じていますか?
こんなに『VIVANT』や“別班”という言葉が広がっている中で、「私、別班なんです」って言えるのって、本当にすごいことだなって思います(笑)。これだけ人気のある作品の中で、自分が別班員の一人として存在している。その状況が、客観的に見てもすごいことだと感じています。
――「廣瀬」という役から珠城さんを知った方も増えたのでは?
それが個人的にはすごくうれしいです。「元宝塚のトップスターだった珠城りょうが出ている」というところからではなく、「別班の廣瀬って誰が演じているんだろう」「珠城りょうがやっているらしい」「あの人って元宝塚の人だったの?」という広がり方をしている。
宝塚でやってきたことは自分の大切な土台で、もちろん誇りもあります。でも、一人の俳優として勝負したいという気持ちは、退団した時からずっとありました。
「元宝塚」という肩書きは、ずっとついてくると思うんです。でも、その肩書きだけでなく、自分自身を知ってもらいたい。退団して今年で 5 年、ようやく理想としていた形に近づいた気がします。「俳優・珠城りょう」として認めてもらえてきたのが、今はすごく幸せです。
――改めて、珠城さんが感じる『VIVANT』の魅力や、この作品らしさとは?
まずはスケールの大きさです。「日本のテレビドラマでこれだけの作品を撮れるんだ」ということを世の中に打ち出したことが、ものすごいことだと思います。映像も美しくて「映画を見ているのかな」と思うくらいワクワクする作品です。
一人の俳優として、これだけの俳優陣がそろう作品に参加できていることも幸せです。堺さんがよくおっしゃる「冒険」という言葉がありますけど、作品の中だけではなく、いろいろなことを冒険している。そのワクワク感が惹きつけるところなのかなと思います。
――残りの放送を楽しみにしている視聴者へ、メッセージをお願いします。
まだまだ「えっ!?」という展開が待っています。人間模様が絡み合っていて、まだまだひもとけていないこともたくさんあります。
第 2 シーズンはモンゴルやタイ、アゼルバイジャンなど、さまざまな国の俳優さんやスタッフさんが力を込めて作っています。ぜひ、細部まで見ていただけたらと思います。
――第 2 シーズンに入るにあたって、特に意識したことは?
第 2 シーズンに入る時に強く思っていたのは、「第 1 シーズンの時から成長したところを見せたい」ということでした。
第 1 シーズンでは、別班員としての立ち方や、セリフの言い方についていろいろ指導していただきました。別班員として登場する女性が私一人だったこともあって、最初に登場した会議室で主要勤務歴を述べる場面でも、「立ち方がふわっとして見える」と指摘されたり。当時はまだドラマの撮影現場の経験も浅くて、セリフの語尾について指摘を受けたこともありました。その時に、「宝塚(歌劇団)出身」という枠組みだけで見られているように感じたことが、自分の中ではすごく悔しくて。
――その悔しさから、撮影がない日も現場を見学していたと。
「どうしたら“珠城りょう”という一人の人間、俳優として見ていただけるんだろう」と考えました。
監督が「自分の撮影がない時も見学に来ていいよ」と言ってくださったので、骨のあるやつだなと思ってもらいたい気持ちもあって結構通いました。堺さんや二宮さんたちのお芝居を、監督が見るモニターの横で見せてもらったりしていましたね。
――その経験を経て、第 2 シーズンでは向き合い方も変わりましたか?
変わりました。第 1 シーズンでは「この方向性で大丈夫かな」と、監督が求める正解を探していた気がします。言ってしまえば、ちょっと尻込みしてしまったんです。『VIVANT』独特の世界観や撮影現場の空気に飲まれていた部分もあって、それも悔しかった。
だから第 2 シーズンは、まず自分が「こう演じたい」と思ったことをやってみる。何かリクエストされたら変えてみよう、くらいの強い気持ちで撮影現場に臨みました。今回は第 1 シーズンで指導されたことは一切言われなかったので、「少しは成長したと思ってもらえたのかな」と感じています。
――なじみのない“別班員”を、どのように作っていったのでしょうか?
別班って、実際のところどういう存在なのかはっきり分からないですよね。だから私の中では、『VIVANT』という作品における別班のあり方が正解なんです。
“別班らしさ”は何か。台本とにらめっこしながら、第 2 シーズンでは、ちょっとした気配で「何かいつもと違う」と気づくとか、そういうものをどれだけ自然に作品の中へ落とし込めるか考えていました。
――廣瀬は普段、システムエンジニアとして働いています。日常の顔との違いはどう考えていましたか?
一見普通に見える。でも「何か普通の人とは違うな」という立ち振る舞いも見えたらいい。動きや目線、セリフの言い方はすごく考えました。
■乃木を前にしてあふれた別班員・廣瀬の感情
――第 20 話、第 21 話で、乃木たちが救出に現れた場面では、別班員たちの人間らしい感情も垣間見えました。
これまで任務のために表には出さなかったけれど、別班員もやっぱり一人の人間で、当然それぞれ感情がある。その部分はしっかり見せられたらいいなと思って、演じていました。
――実際の撮影では、想像していた以上に感情があふれたのでしょうか?
気持ちが前へ前へ行きすぎて、リハーサルではセリフを噛んでしまったりもしました。それを短い時間の中で修正しながら撮っていくことも勉強になりました。
お芝居って、言ってしまえば全部“嘘”じゃないですか。私は廣瀬本人ではないし、本当にその境遇に置かれているわけでもない。でも、なぜかその瞬間は全てがリアルになる。そういう瞬間に出会うたびに、「お芝居って面白いな」「やめられないな」と思います。
■堺、二宮、松坂のさりげない気遣いに支えられて
――堺さんは、撮影現場ではどんな存在ですか?堺さんは、いつお会いしても変わらないんです。海外の慣れない土地でも疲れた顔を見せず、いつもワクワクしながら撮影現場にいらっしゃる。
今回は一人で三役を演じていらっしゃるのに、その大変さをまったく感じさせない。その姿から「自分は自分のやるべきことに集中すればいいんだ」と、背中で教えていただいている感じがします。 「あのレベルで堺さんが来るなら、自分たちはもっと上がっていかなきゃ」と思わせてくださる方です。
――乃木の義弟・ノコルを演じる二宮さんについてはどんな印象でしたか?
二宮さんは、いつお会いしてもフラットでフランクな方です。日曜劇場『マイファミリー』(2022 年)ではご一緒するシーンがなく、集合写真でご挨拶したくらいでしたが、第 1 シーズンでモンゴルでお会いした時にも「お久しぶりです」と声をかけてくださって。
普段はテレビで見ている二宮さんのイメージのままなんですけど、お芝居が始まると明確に“スイッチ”が入る。その入り方が本当に素晴らしくて、「すごい方と同じ撮影現場にいるんだな」と感じていました。
――別班員・黒須駿役の松坂さんのお芝居には、また違った印象を持ったそうですね。
桃李さんは同い年なんですけど、私はなんとなく“桃李さん”って呼んじゃう感じで(笑)。普段はすごく穏やかな方だと思います。
でも、静かなお芝居の中にも大きな熱を感じますし、ちょっとした声のトーンだけでも、重みや怒りだったり、一色ではない、いろいろな感情が静かな芝居の中から伝わってきました。第 21 話でも「こっちのことは気にしなくていいので、思いっきりやっちゃってください」と言ってくださって、それで緊張が少しほぐれました。
皆さんのさりげない気遣いや優しさに、すごく支えられました。
■俳優・珠城りょうとして認められた手応え
――これだけ“別班”という言葉が広がった今、別班員を演じていることをどう感じていますか?
こんなに『VIVANT』や“別班”という言葉が広がっている中で、「私、別班なんです」って言えるのって、本当にすごいことだなって思います(笑)。これだけ人気のある作品の中で、自分が別班員の一人として存在している。その状況が、客観的に見てもすごいことだと感じています。
――「廣瀬」という役から珠城さんを知った方も増えたのでは?
それが個人的にはすごくうれしいです。「元宝塚のトップスターだった珠城りょうが出ている」というところからではなく、「別班の廣瀬って誰が演じているんだろう」「珠城りょうがやっているらしい」「あの人って元宝塚の人だったの?」という広がり方をしている。
宝塚でやってきたことは自分の大切な土台で、もちろん誇りもあります。でも、一人の俳優として勝負したいという気持ちは、退団した時からずっとありました。
「元宝塚」という肩書きは、ずっとついてくると思うんです。でも、その肩書きだけでなく、自分自身を知ってもらいたい。退団して今年で 5 年、ようやく理想としていた形に近づいた気がします。「俳優・珠城りょう」として認めてもらえてきたのが、今はすごく幸せです。
――改めて、珠城さんが感じる『VIVANT』の魅力や、この作品らしさとは?
まずはスケールの大きさです。「日本のテレビドラマでこれだけの作品を撮れるんだ」ということを世の中に打ち出したことが、ものすごいことだと思います。映像も美しくて「映画を見ているのかな」と思うくらいワクワクする作品です。
一人の俳優として、これだけの俳優陣がそろう作品に参加できていることも幸せです。堺さんがよくおっしゃる「冒険」という言葉がありますけど、作品の中だけではなく、いろいろなことを冒険している。そのワクワク感が惹きつけるところなのかなと思います。
――残りの放送を楽しみにしている視聴者へ、メッセージをお願いします。
まだまだ「えっ!?」という展開が待っています。人間模様が絡み合っていて、まだまだひもとけていないこともたくさんあります。
第 2 シーズンはモンゴルやタイ、アゼルバイジャンなど、さまざまな国の俳優さんやスタッフさんが力を込めて作っています。ぜひ、細部まで見ていただけたらと思います。











