2026/06/22 18:00
音楽
NEW May'n、20周年記念ライブツアーが終幕 あふれる想い、30曲超えの大ボリュームライブ【オフィシャルライブレポート】
『May'n 20th Anniversary Live Tour 2026「THE BEST of May'n」』Zepp Haneda公演の模様 Photo by 佐藤広理
May'nがアーティストデビュー20周年を記念して開催したライブツアー『May'n 20th Anniversary Live Tour 2026「THE BEST of May'n」』が5月30日、幕を閉じた。2005年6月1日にシングルデビューを果たしたMay'nは、20年目を迎える2024年6月からは「Road to 20th Anniversary」、2025年6月からは「20th Anniversary」と銘打ち、さまざまな音楽活動を展開してきた。その集大成となった今回のライブツアー。3月8日の愛知・Zepp Nagoyaを出発点とした東名阪公演のあと、台北、香港という海外2ヶ所を巡り、最後は山形からの沖縄という全7公演ツアーの中から、東京・Zepp Haneda公演のオフィシャルライブレポートが届いた。
■オフィシャルライブレポート
ライブスタートはMay'nが歌いつづってきた楽曲のRemixバージョンから。「Belief」を皮切りに「You」「ダイアモンド クレバス」「Chase the world」などの楽曲が次々と繰り出されていくオープニング。手がけたのは、名古屋での共演経験もあるHOME MADE 家族のDJ、U-ICHI。May'nからのオファーではあるが、ひと足早く2024年に20周年を迎えた先輩からのプレゼントによって「部員」(=May'nファン)で埋め尽くされたZepp Hanedaをいっときクラブ会場へと変えた。その間にいまだ暗闇という中をバンドメンバーが所定の位置につき、続いてMay'nが登場してきた。ダンサー2人とフロアに送り出した1曲目は「Belief」。1番終わりで手を突き上げ、サビでキックを見せ、May'nは力強く盛り上げていく一方、ラスサビでは笑顔でフロアの部員を指差し魅了していく。その曲終わりにかぶせられたのは "この瞳は鮮やかに舞う"という歌声。歌始まりの「Chase the world」にダンサーもダブステップで花を添える。曲中、歌詞に合わせて手をはばたかせ、強く拳を握り締め、その一方で笑みを浮かべながら頬に手を当て、May'nは緩急自在の表現力を披露する。次の曲は、曲終わりの拍手をハイハットでのカウントが切り裂いてからの「ViViD」。オイオイで応じる会場にMay'nが「東京!思いっきり熱く楽しんでいくよ!」と声をかけ、会場もさらに応える。曲調に合わせ、終始楽し気に歌ってみせるMay'nと、フロアに手を振ってみせるダンサー。8ビートロックを味わう3人が拳を突き上げて曲を終えるとひと時の静寂が流れ、会場から拍手や歓声が生まれた。が、May'nはまだ休むことを知らない。センターでスポットライトを浴びながら「You」を歌い始める。ライトはステージ全体を覆うほどのまばゆい光へと変わる。May'nは涙を浮かべているのではと思わせるほどに訴えかける表現力で、2番、Cメロ、そしてラスサビへとつなげ、一人歌い上げながらエモーショナルな空間を広げていった。
ここでようやくの暗転。再度「東京!」と大きく声を上げてからMay'nはMCに入った。自己紹介後、May'nは「配信のみなさーん」とカメラに向かって手を振りながら呼びかける。ツアーで来訪できない海外や国内地域の人々にもライブを届けようと生配信を実行していたため。続けて、May'nのライブを支えてきたバンドメンバー「TEAM ONGAKUSHITSU」や、ダンサー「May'n Dancers」を紹介すると「楽しむ準備はできていますか」の問いかけから「この20年間のありがとうと、これからのよろしくを込めて精一杯歌わせてください!」の宣言。そしてドラムがスティックでカウントし、「キミシニタモウコトナカレ」へ。ベースと向かい合ったり、左右のお立ち台を生かしたり、あるいは配信用カメラや客席と視線を合わせたりしながら、縦横無尽な動きでMay'nは下手、上手で歌声を届けていった。シンフォニックロックな楽曲「Scarlet Ballet」でもジャンプしたり、しゃがんだり、ハイキックを見せたり、高い運動性能からのパフォーマンスをステージ上で繰り広げるMay'nが最後に赤い光をまとって終わると、一転青い光が会場を包む。May'nの口から出たのは「新曲、「PROTOCOL:RESONANCE」」のタイトル。この後のMCでMay'nが「ちょっと凄すぎるんだけど」「すでに仕上がりすぎてる」と嬉しそうに話したように、ツアーの開始2週間前に配信リリースされたばかりの曲だが、聴衆がしっかりと歌声・掛け声をMay'nと合わせていく。歌い切ったMay'nからも「めっちゃ楽しいね」という感想がこぼれていた。
次は「20年間の中で歌ってきた、May'n名義ではない楽曲をMay'n Ver.メドレーという形でお届け」というコーナー。その1曲目に持ってきたのは椎名慶治とのユニット「Astronauts」として歌った『仮面ライダーフォーゼ』挿入歌「Giant Step」。部員ならば昨年の10月25日、つい半年前に椎名慶治のライブ『Special Live 2025「WE ARE @ LIVE」』へゲスト参加してデュエット歌唱した光景が思い出される。ハイトーン担当のMay'nが低音域までカバーしながらロックナンバーを走らせていく。次は赤のライトの中で、自身がプロデュースも務めるAbyssmareの「Get into the Abyssmare」。民族音楽的な要素が散らされた楽曲をつなげたら、やはりMay'nの愛情を浴びたWake Up, Girls!とのコラボユニット、Wake Up, May'n!での「One In A Billion」へ。ピアノと組んだ歌い出しから、Bメロではスキップで上手へ移動。アイドルソングのポップさを身体で表現しつつ、サビなどの各所でも客席と声を重ねていく。W、そして、ハートを胸の前で作って歌い終わると世界に知れ渡るイントロへとつながった。燃えるような情熱の色のライトを背負って、時にキュートな笑顔で、時に猛獣さながらの表情を見せるMay'n。『マクロスF』のシェリル・ノーム名義で歌った「ライオン」をフルバージョンで歌い切り、メドレーを締めた。
続いてはシンセが神秘的なイントロを奏でる中、May'nのスタート位置はステージ後方の高くなった場所、ドラムとキーボードの間から。スポットを浴びながら、ノースリーブにラップスカート風キュロットで健康的に鍛えられた両手足を見せて立つMay'n。歌い始めたのは「Welcome To My FanClub's Night!」。前曲からの流れを受けてのシェリル・ノームの持ち歌であり、さらにここから「インフィニティ」「オベリスク」「ノーザンクロス」とシェリル・ノーム楽曲を短く、目まぐるしく、メドレーで歌いつなげていく。その最後は「射手座☆午後九時 Don't be late」で。シェリルカラーのピンクが会場に広がる中、May'nが威風堂々と歌姫を体現する。曲中には、『マクロスF』でMay'nと共にシェリル・ノームに魂を吹き込んだ声優・遠藤綾による煽りゼリフがスピーカーから流れる。「ラストー!」の声を受けた会場は、「持ってけー!」のジャンプで最高到達点を見せ、そこから大きなクラップでうねりを作る。May'nもそのリズムの中艶めかしい動きで会場を魅了。シェリルの声で「最高!」が聞こえると、シェリルでありMay'nであるシンガーが手を振りながら下手に消えていった。だが、残った「May'n Dancers」と「TEAM ONGAKUSHITSU」メンバーが熱いライブを引き継いで、ダンスやソロプレイによってステージ上に荘厳でギャラクシーな空間を作り出し、観客を楽しませながら衣装チェンジを経たMay'nの登場を待った。
ステージ上部のセンターに戻ったMay'nが次に聴かせてくれたのは、新特撮シリーズ【PROJECT R.E.D.】の第1弾作品『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』の主題歌「LOVE IS THE STRONGEST」。真っ白ながらミリタリーテイストも感じさせる衣装で、ダンサブルでポップでロックというまさに“最強”なハッピーソングを熱唱&ダンス。40年以上前に放送開始した伝説の特撮番組の復活をZeppでも祝った。歌唱後のMay'nが一礼を示したのは、間奏での“Foo!”ジャンプなど、やはり新曲ながらも「うちら、(この曲を)20年やってきた?」とMay'nに言わしめるほどのファンの盛り上げ方に対してか。新曲もすぐさまライブ会場で共に作り上げる頼もしい部員たちの時間に、May'nも「すでに楽しいけどもっともっと楽しくなるナンバーに出会えたと確信しました」の言葉を残した。
次なる曲として紹介したのはこちらも新曲の「genesis/destiny」。ピアノの旋律で始まり、バンドサウンドが絡んでいく楽曲を手始めに、「とても大きな」出会いだったとMay'nが語った作品『アズールレーン』のターンに突入する。「graphite/diamond」を重ね、戦闘モードで猛々しいMay'nを連続で見せた後には清冽なピアノイントロから「the SEA has dreams」に。青空を思い起こさせる爽やかでマーチライクな楽曲は会場からクラップを引き出し、サビでは定番となったMay'nとの絆時間が。これまでのライブで幾度も入場者に歌詞カードを配布し、共に歌い合ってきたこの曲だけに生まれる空間が広がっていく。観客との合唱はMay'nがこだわったところ。「私の後にみんなが同じ歌詞を歌うのではなく、みんなと私が違う歌詞を歌う」「しかもみんなから歌う」という、観客に対して高難易度の要求を施しているが、May'nも難しいことだと分かりながら、「今日歌えない人も次は歌えるようになってる」という想いで、掛け合うように歌う時間を続けてきた。ただし、多くの部員たちはすでに高いクオリティでその要求をクリアしており、May'nにとっては「すごく幸せ!10年後の完成を見据えていたのに(笑)!」という嬉しい誤算も。「これからも一緒に終わらない夢を続けていきましょう!」の言葉で『アズールレーン』のターンを一旦締めると、最近はアコースティックバージョンなどでの披露が多かった「今日に恋色」をCD収録版と近い形で。恋に恋するような気持ちで歌った10年前を懐かしむように、それでいて大人の女性に成長したMay'nが誰かへの想いを歌に乗せていく。優しい表情で観客と目を合わせながら歌が紡がれる時間。そこから急転、不似合いなほどに不穏なイントロが後を受ける。歌詞の内容も前曲とは逆位相の「シンジテミル」でMay'nは、すがるような、訴えかけるような気持ちを表現。高音域をファルセットではなく地声で歌い、強い悲愴感をドラマティックに表現するMay'nの歌唱力に観衆からも称賛の声と拍手が送られた。そのままたたみかけた一曲は中日ドラゴンズが勝利ゲーム後に行うヴィクトリーショーのテーマソング「ONEBLUE.」。名古屋公演ではドラゴンズユニフォームを着用し、自身の情熱に満ちている楽曲に熱意を込めて観客へ打ち込んだ。
「好きな音楽を続けていたらもっともっと好きなことが増えましたー!」という叫びから始まったのは「全部大丈夫」。ピアノイントロに「どんなときも全部大丈夫だよといつも言ってくれるのはみんなだよ」の言葉を乗せると想いを受け取ったフロアから歌声が美しく広がっていく。バスドラがリズムを踏み固めていく中、Aメロ、Bメロと歌を進ませていくMay'n。その先で迎えるサビでは、部員とWoh Woh Wohを合わせてから最後の「大丈夫」で親指をピッと立てたGood!ポーズでキメてみせる。2番では歌詞の「叫び」から「叫ぼう!」と導いてのサビ突入。Good!ポーズで決めた後、続くCメロでMay'nは「幸せは探さない」「「きっと何処かに」じゃなく」で会場と交互に歌い合い、「ずっとここで育ててるの」でステージを激しく指差し、パフォーマンスの激しさが加速していく。「歌ってー!」と生声で叫んでからのラスサビでもGood!ポーズをキメたMay'nは、「どんなことがあっても全部大丈夫にしていこうねー!!」とメッセージを会場に送る。受け取った会場からの拍手と歓声に包まれると、一気に「夜明けのロゴス」へ突入。雄大に展開する楽曲でライブのフィニッシュをキメた。
歌い終えたMay'nからの「本当にありがとうございました!May'nでした」というあいさつがステージ上に響き、ステージ上は一旦空白に。だがそれを許さない「部長」コールが長く会場にこだまし、May'nとバンドメンバー、ダンサー2人はライブTシャツでステージに戻ってくる。そしてアンコールの始まりは、シンガー人生の始まりでもあるデビュー曲「Crazy Crazy Crazy」。20年前に本名名義で歌った曲を今、ライブで、ダンサーとバンドメンバーと共に披露した。そして、May'n誕生の曲でもあるシェリル・ノーム名義の「ダイアモンド クレバス」へ。「ダイアモンド クレバス」はMay'nにとって歌うたびに異なる自分を出せる楽曲だが、この夜は感情が幾重にも幾重にも重なるような歌となった。1番の途中からすでにMay'nは想いが溢れ出さんとするのを堪えるようなところを見せる。それでも歌声は潤いを見せるだけで揺らぎを見せることは決してなく、ひと節ひと節に言い表せぬ感情を込めてMay'nは歌い上げていった。
精魂込めた歌姫に万雷の拍手を送る会場。それに対して「涙が出ちゃうじゃん」と返すMay'n。MCでは涙声で、それぞれのタイミングでMay'nと出会って応援してくれている全員の存在が、20年もステージで歌い続けられてきた今日につながっていると感謝を述べる。配信のカメラにも「直接も会いたいよ」の言葉で誘った後、カラフルなライトの中で正真正銘のラストソング「May'n☆Space」へ。コミカルな動きや百面相も加えながらMay'nは歌と音楽の楽しさを伝えてくれる。下手、上手、2階、フロア中央へと順に視線を送るMay'nに会場もワイパーで応える。こうして、メドレーを含むものの、アンコールまでで28曲という大ボリュームのライブをMay'nは駆け抜けた。それでも、歌いたい曲があり過ぎる、部員ともっとライブを楽しみたい、という想いから、今回のツアーの国内公演では終演後に、ファンクラブ限定のトーク&ライブイベントも開催。この夜もバンドメンバーやダンサーらとライブを振り返った後、カラオケで「シェリルの宇宙兄弟船」「XYZ」「place roulette」、バンドとダンサーと一緒に「ROCK YOUR BEATS」をMay'nは歌唱=軽く30曲越えのソロライブを達成したことに。
東京公演で国内ツアーの前半を終えたMay'nは次に海外へ飛び出しての香港、台北で後半戦をスタートさせた後、国内に戻って山形、沖縄でのライブで20周年ツアーの幕を下ろした。誰もが認める歌唱力を土台に積み重ねてきたMay'nライ"部"は、回数を重ねるごとに会場との一体感も増し、毎回パーティのように多幸感と充足感を観客に味わわせる。20周年の集大成として開催した「THE BEST of May'n」、そして、21周年目はどのようなハッピータイムをもたらしてくれるのか楽しみだ。
(文・清水耕司)
■『May'n 20th Anniversary Live Tour 2026「THE BEST of May'n」』セットリスト
OPENING
M01. Belief
M02. Chase the world
M03. ViViD
M04. You
M05. キミシニタモウコトナカレ
M06. Scarlet Ballet
M07. PROTOCOL:RESONANCE
【May'n Ver. メドレー】
M08. Giant Step~Get into the Abyssmare~One In A Billion~ライオン(フル)
【Sheryl On Stage】
M09. Welcome To My FanClub's Night!~インフィニティ~オベリスク~ノーザンクロス~射手座☆午後九時 Don't be late
M10. LOVE IS THE STRONGEST
M11. genesis/destiny
M12. graphite/diamond
M13. the SEA has dreams
M14. 今日に恋色
M15. シンジテミル_ReRec
M16. ONEBLUE.
M17. Pray(沖縄公演)
M18. 全部大丈夫
M19. 夜明けのロゴス
【アンコール】
EN01. Crazy Crazy Crazy
EN02. ダイアモンド クレバス
EN03. 君とMAME☆ ~せつぶんぶん~(山形公演)
EN04. May'n☆Space/Phonic Nation(海外公演)
ライブスタートはMay'nが歌いつづってきた楽曲のRemixバージョンから。「Belief」を皮切りに「You」「ダイアモンド クレバス」「Chase the world」などの楽曲が次々と繰り出されていくオープニング。手がけたのは、名古屋での共演経験もあるHOME MADE 家族のDJ、U-ICHI。May'nからのオファーではあるが、ひと足早く2024年に20周年を迎えた先輩からのプレゼントによって「部員」(=May'nファン)で埋め尽くされたZepp Hanedaをいっときクラブ会場へと変えた。その間にいまだ暗闇という中をバンドメンバーが所定の位置につき、続いてMay'nが登場してきた。ダンサー2人とフロアに送り出した1曲目は「Belief」。1番終わりで手を突き上げ、サビでキックを見せ、May'nは力強く盛り上げていく一方、ラスサビでは笑顔でフロアの部員を指差し魅了していく。その曲終わりにかぶせられたのは "この瞳は鮮やかに舞う"という歌声。歌始まりの「Chase the world」にダンサーもダブステップで花を添える。曲中、歌詞に合わせて手をはばたかせ、強く拳を握り締め、その一方で笑みを浮かべながら頬に手を当て、May'nは緩急自在の表現力を披露する。次の曲は、曲終わりの拍手をハイハットでのカウントが切り裂いてからの「ViViD」。オイオイで応じる会場にMay'nが「東京!思いっきり熱く楽しんでいくよ!」と声をかけ、会場もさらに応える。曲調に合わせ、終始楽し気に歌ってみせるMay'nと、フロアに手を振ってみせるダンサー。8ビートロックを味わう3人が拳を突き上げて曲を終えるとひと時の静寂が流れ、会場から拍手や歓声が生まれた。が、May'nはまだ休むことを知らない。センターでスポットライトを浴びながら「You」を歌い始める。ライトはステージ全体を覆うほどのまばゆい光へと変わる。May'nは涙を浮かべているのではと思わせるほどに訴えかける表現力で、2番、Cメロ、そしてラスサビへとつなげ、一人歌い上げながらエモーショナルな空間を広げていった。
ここでようやくの暗転。再度「東京!」と大きく声を上げてからMay'nはMCに入った。自己紹介後、May'nは「配信のみなさーん」とカメラに向かって手を振りながら呼びかける。ツアーで来訪できない海外や国内地域の人々にもライブを届けようと生配信を実行していたため。続けて、May'nのライブを支えてきたバンドメンバー「TEAM ONGAKUSHITSU」や、ダンサー「May'n Dancers」を紹介すると「楽しむ準備はできていますか」の問いかけから「この20年間のありがとうと、これからのよろしくを込めて精一杯歌わせてください!」の宣言。そしてドラムがスティックでカウントし、「キミシニタモウコトナカレ」へ。ベースと向かい合ったり、左右のお立ち台を生かしたり、あるいは配信用カメラや客席と視線を合わせたりしながら、縦横無尽な動きでMay'nは下手、上手で歌声を届けていった。シンフォニックロックな楽曲「Scarlet Ballet」でもジャンプしたり、しゃがんだり、ハイキックを見せたり、高い運動性能からのパフォーマンスをステージ上で繰り広げるMay'nが最後に赤い光をまとって終わると、一転青い光が会場を包む。May'nの口から出たのは「新曲、「PROTOCOL:RESONANCE」」のタイトル。この後のMCでMay'nが「ちょっと凄すぎるんだけど」「すでに仕上がりすぎてる」と嬉しそうに話したように、ツアーの開始2週間前に配信リリースされたばかりの曲だが、聴衆がしっかりと歌声・掛け声をMay'nと合わせていく。歌い切ったMay'nからも「めっちゃ楽しいね」という感想がこぼれていた。
次は「20年間の中で歌ってきた、May'n名義ではない楽曲をMay'n Ver.メドレーという形でお届け」というコーナー。その1曲目に持ってきたのは椎名慶治とのユニット「Astronauts」として歌った『仮面ライダーフォーゼ』挿入歌「Giant Step」。部員ならば昨年の10月25日、つい半年前に椎名慶治のライブ『Special Live 2025「WE ARE @ LIVE」』へゲスト参加してデュエット歌唱した光景が思い出される。ハイトーン担当のMay'nが低音域までカバーしながらロックナンバーを走らせていく。次は赤のライトの中で、自身がプロデュースも務めるAbyssmareの「Get into the Abyssmare」。民族音楽的な要素が散らされた楽曲をつなげたら、やはりMay'nの愛情を浴びたWake Up, Girls!とのコラボユニット、Wake Up, May'n!での「One In A Billion」へ。ピアノと組んだ歌い出しから、Bメロではスキップで上手へ移動。アイドルソングのポップさを身体で表現しつつ、サビなどの各所でも客席と声を重ねていく。W、そして、ハートを胸の前で作って歌い終わると世界に知れ渡るイントロへとつながった。燃えるような情熱の色のライトを背負って、時にキュートな笑顔で、時に猛獣さながらの表情を見せるMay'n。『マクロスF』のシェリル・ノーム名義で歌った「ライオン」をフルバージョンで歌い切り、メドレーを締めた。
続いてはシンセが神秘的なイントロを奏でる中、May'nのスタート位置はステージ後方の高くなった場所、ドラムとキーボードの間から。スポットを浴びながら、ノースリーブにラップスカート風キュロットで健康的に鍛えられた両手足を見せて立つMay'n。歌い始めたのは「Welcome To My FanClub's Night!」。前曲からの流れを受けてのシェリル・ノームの持ち歌であり、さらにここから「インフィニティ」「オベリスク」「ノーザンクロス」とシェリル・ノーム楽曲を短く、目まぐるしく、メドレーで歌いつなげていく。その最後は「射手座☆午後九時 Don't be late」で。シェリルカラーのピンクが会場に広がる中、May'nが威風堂々と歌姫を体現する。曲中には、『マクロスF』でMay'nと共にシェリル・ノームに魂を吹き込んだ声優・遠藤綾による煽りゼリフがスピーカーから流れる。「ラストー!」の声を受けた会場は、「持ってけー!」のジャンプで最高到達点を見せ、そこから大きなクラップでうねりを作る。May'nもそのリズムの中艶めかしい動きで会場を魅了。シェリルの声で「最高!」が聞こえると、シェリルでありMay'nであるシンガーが手を振りながら下手に消えていった。だが、残った「May'n Dancers」と「TEAM ONGAKUSHITSU」メンバーが熱いライブを引き継いで、ダンスやソロプレイによってステージ上に荘厳でギャラクシーな空間を作り出し、観客を楽しませながら衣装チェンジを経たMay'nの登場を待った。
ステージ上部のセンターに戻ったMay'nが次に聴かせてくれたのは、新特撮シリーズ【PROJECT R.E.D.】の第1弾作品『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』の主題歌「LOVE IS THE STRONGEST」。真っ白ながらミリタリーテイストも感じさせる衣装で、ダンサブルでポップでロックというまさに“最強”なハッピーソングを熱唱&ダンス。40年以上前に放送開始した伝説の特撮番組の復活をZeppでも祝った。歌唱後のMay'nが一礼を示したのは、間奏での“Foo!”ジャンプなど、やはり新曲ながらも「うちら、(この曲を)20年やってきた?」とMay'nに言わしめるほどのファンの盛り上げ方に対してか。新曲もすぐさまライブ会場で共に作り上げる頼もしい部員たちの時間に、May'nも「すでに楽しいけどもっともっと楽しくなるナンバーに出会えたと確信しました」の言葉を残した。
次なる曲として紹介したのはこちらも新曲の「genesis/destiny」。ピアノの旋律で始まり、バンドサウンドが絡んでいく楽曲を手始めに、「とても大きな」出会いだったとMay'nが語った作品『アズールレーン』のターンに突入する。「graphite/diamond」を重ね、戦闘モードで猛々しいMay'nを連続で見せた後には清冽なピアノイントロから「the SEA has dreams」に。青空を思い起こさせる爽やかでマーチライクな楽曲は会場からクラップを引き出し、サビでは定番となったMay'nとの絆時間が。これまでのライブで幾度も入場者に歌詞カードを配布し、共に歌い合ってきたこの曲だけに生まれる空間が広がっていく。観客との合唱はMay'nがこだわったところ。「私の後にみんなが同じ歌詞を歌うのではなく、みんなと私が違う歌詞を歌う」「しかもみんなから歌う」という、観客に対して高難易度の要求を施しているが、May'nも難しいことだと分かりながら、「今日歌えない人も次は歌えるようになってる」という想いで、掛け合うように歌う時間を続けてきた。ただし、多くの部員たちはすでに高いクオリティでその要求をクリアしており、May'nにとっては「すごく幸せ!10年後の完成を見据えていたのに(笑)!」という嬉しい誤算も。「これからも一緒に終わらない夢を続けていきましょう!」の言葉で『アズールレーン』のターンを一旦締めると、最近はアコースティックバージョンなどでの披露が多かった「今日に恋色」をCD収録版と近い形で。恋に恋するような気持ちで歌った10年前を懐かしむように、それでいて大人の女性に成長したMay'nが誰かへの想いを歌に乗せていく。優しい表情で観客と目を合わせながら歌が紡がれる時間。そこから急転、不似合いなほどに不穏なイントロが後を受ける。歌詞の内容も前曲とは逆位相の「シンジテミル」でMay'nは、すがるような、訴えかけるような気持ちを表現。高音域をファルセットではなく地声で歌い、強い悲愴感をドラマティックに表現するMay'nの歌唱力に観衆からも称賛の声と拍手が送られた。そのままたたみかけた一曲は中日ドラゴンズが勝利ゲーム後に行うヴィクトリーショーのテーマソング「ONEBLUE.」。名古屋公演ではドラゴンズユニフォームを着用し、自身の情熱に満ちている楽曲に熱意を込めて観客へ打ち込んだ。
「好きな音楽を続けていたらもっともっと好きなことが増えましたー!」という叫びから始まったのは「全部大丈夫」。ピアノイントロに「どんなときも全部大丈夫だよといつも言ってくれるのはみんなだよ」の言葉を乗せると想いを受け取ったフロアから歌声が美しく広がっていく。バスドラがリズムを踏み固めていく中、Aメロ、Bメロと歌を進ませていくMay'n。その先で迎えるサビでは、部員とWoh Woh Wohを合わせてから最後の「大丈夫」で親指をピッと立てたGood!ポーズでキメてみせる。2番では歌詞の「叫び」から「叫ぼう!」と導いてのサビ突入。Good!ポーズで決めた後、続くCメロでMay'nは「幸せは探さない」「「きっと何処かに」じゃなく」で会場と交互に歌い合い、「ずっとここで育ててるの」でステージを激しく指差し、パフォーマンスの激しさが加速していく。「歌ってー!」と生声で叫んでからのラスサビでもGood!ポーズをキメたMay'nは、「どんなことがあっても全部大丈夫にしていこうねー!!」とメッセージを会場に送る。受け取った会場からの拍手と歓声に包まれると、一気に「夜明けのロゴス」へ突入。雄大に展開する楽曲でライブのフィニッシュをキメた。
歌い終えたMay'nからの「本当にありがとうございました!May'nでした」というあいさつがステージ上に響き、ステージ上は一旦空白に。だがそれを許さない「部長」コールが長く会場にこだまし、May'nとバンドメンバー、ダンサー2人はライブTシャツでステージに戻ってくる。そしてアンコールの始まりは、シンガー人生の始まりでもあるデビュー曲「Crazy Crazy Crazy」。20年前に本名名義で歌った曲を今、ライブで、ダンサーとバンドメンバーと共に披露した。そして、May'n誕生の曲でもあるシェリル・ノーム名義の「ダイアモンド クレバス」へ。「ダイアモンド クレバス」はMay'nにとって歌うたびに異なる自分を出せる楽曲だが、この夜は感情が幾重にも幾重にも重なるような歌となった。1番の途中からすでにMay'nは想いが溢れ出さんとするのを堪えるようなところを見せる。それでも歌声は潤いを見せるだけで揺らぎを見せることは決してなく、ひと節ひと節に言い表せぬ感情を込めてMay'nは歌い上げていった。
精魂込めた歌姫に万雷の拍手を送る会場。それに対して「涙が出ちゃうじゃん」と返すMay'n。MCでは涙声で、それぞれのタイミングでMay'nと出会って応援してくれている全員の存在が、20年もステージで歌い続けられてきた今日につながっていると感謝を述べる。配信のカメラにも「直接も会いたいよ」の言葉で誘った後、カラフルなライトの中で正真正銘のラストソング「May'n☆Space」へ。コミカルな動きや百面相も加えながらMay'nは歌と音楽の楽しさを伝えてくれる。下手、上手、2階、フロア中央へと順に視線を送るMay'nに会場もワイパーで応える。こうして、メドレーを含むものの、アンコールまでで28曲という大ボリュームのライブをMay'nは駆け抜けた。それでも、歌いたい曲があり過ぎる、部員ともっとライブを楽しみたい、という想いから、今回のツアーの国内公演では終演後に、ファンクラブ限定のトーク&ライブイベントも開催。この夜もバンドメンバーやダンサーらとライブを振り返った後、カラオケで「シェリルの宇宙兄弟船」「XYZ」「place roulette」、バンドとダンサーと一緒に「ROCK YOUR BEATS」をMay'nは歌唱=軽く30曲越えのソロライブを達成したことに。
東京公演で国内ツアーの前半を終えたMay'nは次に海外へ飛び出しての香港、台北で後半戦をスタートさせた後、国内に戻って山形、沖縄でのライブで20周年ツアーの幕を下ろした。誰もが認める歌唱力を土台に積み重ねてきたMay'nライ"部"は、回数を重ねるごとに会場との一体感も増し、毎回パーティのように多幸感と充足感を観客に味わわせる。20周年の集大成として開催した「THE BEST of May'n」、そして、21周年目はどのようなハッピータイムをもたらしてくれるのか楽しみだ。
(文・清水耕司)
■『May'n 20th Anniversary Live Tour 2026「THE BEST of May'n」』セットリスト
OPENING
M01. Belief
M02. Chase the world
M03. ViViD
M04. You
M05. キミシニタモウコトナカレ
M06. Scarlet Ballet
M07. PROTOCOL:RESONANCE
【May'n Ver. メドレー】
M08. Giant Step~Get into the Abyssmare~One In A Billion~ライオン(フル)
【Sheryl On Stage】
M09. Welcome To My FanClub's Night!~インフィニティ~オベリスク~ノーザンクロス~射手座☆午後九時 Don't be late
M10. LOVE IS THE STRONGEST
M11. genesis/destiny
M12. graphite/diamond
M13. the SEA has dreams
M14. 今日に恋色
M15. シンジテミル_ReRec
M16. ONEBLUE.
M17. Pray(沖縄公演)
M18. 全部大丈夫
M19. 夜明けのロゴス
【アンコール】
EN01. Crazy Crazy Crazy
EN02. ダイアモンド クレバス
EN03. 君とMAME☆ ~せつぶんぶん~(山形公演)
EN04. May'n☆Space/Phonic Nation(海外公演)











