BS11では、1月23日（火）より、今年生誕100年の山崎豊子 原作 「白い巨塔」を放送いたします。大学病院を舞台に、唐沢寿明が演じる権力や名誉欲に翻弄される天才外科医・財前五郎と、江口洋介が演じる人の命を無欲で救いつづける内科医・里見脩二の対照的な生きざまと、周囲の人々を描いた濃密なドラマです。現代医療の持つ問題点、人間の愚かさと弱さ、人間の不可解さに迫った名作です。ぜひこの機会に、全国無料放送のBS11イレブンでお楽しみください。

★イントロダクション

作家・山崎豊子の代表作で、医学界の知られざる実態と人間の生命の尊厳を描き、多くの人々に衝撃と感動を与えた『白い巨塔』を、舞台設定を現代に置き換え再連続ドラマ化。2003年10月から2004年3月までフジテレビで放送され、各回軒並み高視聴率を獲得し大きな反響を呼びました。作中に描かれる医療という行為の不条理性と、生命の尊厳の対比は、パンデミック、テロ、戦争といった危機と隣り合わせの現代社会で生きる私たちに、多くの問いを投げかけるに違いありません。

★第1話「再読」あらすじ

浪速大学病院の手術室では鶴川大阪府知事の食道がんの手術が始まろうとしていた。
第一外科の金井講師（奥田達士）や佃医局長（片岡孝太郎）らが緊張し忙しく立ち働いている。だが、執刀医の財前五郎助教授（唐沢寿明）が現れない。オペの時間が始まろうとするその時、財前が登場した。あせる周囲を黙殺し、財前は、時計を一瞥、一気にメスを振るい始めた。神業のような財前の手並みは正確にして敏速を極めた。がんは食道だけではなく大動脈にまで浸潤していたが、財前はひるまずメスを進め、吹き出る血にも顔色一つ変えず腕を振るう。手術完了。4時間35分...驚異的な短さである。財前は見学室に一礼した。そんなころ、里見第一内科助教授（江口洋介）は、鵜飼によって胃がんと診断された患者・小西みどりの症状に疑問を抱き始めていた...。