番組紹介
ベストセラー「東京藝大で教わる西洋美術の見かた」の著者、佐藤直樹・東京藝術大学准教授を迎えお送りする特別番組!
「バランスよく作品を知るより、個々の作品に対する具体的なアプローチを学んだ方が、実は美術鑑賞のコツを得るには手っ取り早い」という佐藤准教授。藝大の授業そのままに、初心者には「美術鑑賞のコツ」を分かりやすく、美術ファンには「そうだったのか!」と膝を打つ解説を、ルネサンスの巨人ラファエッロをテーマにお届けします。ダ・ヴィンチやミケランジェロを手本に自分の世界を作り上げていった技術、版画を使ってヨーロッパに自作を流布させた戦略、アルプスを越えたドイツの画家との交流…などなど!東京藝術大学の全面協力のもと、作品に取り組む藝大生の様子や様々な施設の紹介も!
第1夜「ダ・ヴィンチを学んだ"加工の天才" ルネサンスの巨人ラファエッロ」
ルネサンス期を代表するイタリアの画家、建築家、ラファエッロ・サンティ。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとともに、盛期ルネサンスの3大巨匠の一人とされています。「システィーナの聖母」や「アテナイの学堂」「パルナッソス」などの絵は、誰もがどこかで目にしたことがあるはず。
そんなラファエッロが、ダ・ヴィンチやミケランジェロを手本とし、それを凌駕していった軌跡を辿りつつ、美術における「模倣」についても考えていきます。
また、東京藝大の様々な施設や、「フレスコ画」を製作する藝大生なども紹介します!
第2夜「"複製版画"でヨーロッパに伝播 ルネサンスの巨人ラファエッロ」
ラファエッロの、"贋作版画家"との交流や"複製版画"を使って自作をヨーロッパに流布させていった戦略を見ていきます。さらにその裏にあった、アルプスを越えたドイツの天才画家との交流とは? また、東京藝術大学大学美術館や、町田市立国際版画美術館の展示作品なども紹介します!
書籍情報
基礎から身につく「大人の教養」
東京藝大で教わる西洋美術の見かた
佐藤 直樹 (著)
定価:1,760円(税込)
これが藝大の美術史だ。作品のメッセージを読み解いて鑑賞眼を鍛える!
本書は、東京藝術大学で実際に行われている講義に基づいて作られた西洋美術の入門書です。
通史的に作品を概説するのではなく、著者の視点で選んだ個々の作品について、
そこに込められたメッセージをわかりやすく読み解きます。
クローズアップや補助線の導入など、読者の理解を助けるビジュアルも多用。
楽しみながら、知らず知らずのうちに鑑賞眼が鍛えられることを意図しています。
出演者・スタッフ
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Q、収録の感想をお聞かせください。
緊張していましたが、篠原さんと松尾さんの愉快な会話のおかげで楽しく収録できました。二人とも、美術への興味があることはもちろんですが、作品を学びたいという意識が高く、こちらもそれに応える気持ちが高まって熱くお話できたと思います。
Q、今回番組に出演され、何か新しい発見などはございましたか?
美術史の分野ではラファエッロは当然誰もが知っている作家なのですが、レオナルドやミケランジェロに比べて意外と浸透していないということがお二人の言葉からも感じられました。それがどうしてなのか・・・このことを考えるのも面白いことですが、レオナルドは《モナリザ》、ミケランジェロは《ダヴィデ像》のように、すぐに思いつく代表作が知られていないことが一番の原因なのではないかと想像しています。本来、ラファエッロは代表作がいくつもあるのですが、どれもキリスト教の主題と強く結びついていたり「聖母子」をいくつも描いていて、どれが一番代表的なのかわからないということが原因なのかもしれません。しかし、それもラファエッロが後に手本となりやすい理由なのかもしれません。
Q、この番組の見どころを教えてください。
作品の歴史的な背景を知るだけでなく、主題を知らない作品にもどうやってアプローチしていくのか、また、作品同士のネットワークなどに面白さを見出してもらえればとても嬉しいです。 西洋美術を主題を知らないからといって「こわがらずに」、自分の目で自由に鑑賞できるようになってほしいと思います。 -
Q、収録の感想をお聞かせください。
すこぶるわかりやすく、想像力をかき立てられました。やはり芸術は人間が生み出しているのだという実感も持ちました。
Q、今回番組に出演され、何か新しい発見などはございましたか?
発見ばかりです。美術の「なぜだろう」はそのままにしてしまいがちですが、「なるほど」に至る感動は「美に触れる」というそのものにも増して大きいことが発見でした。
Q、この番組をどのように感じてほしい、どのようにご覧いただきたいですか?
気軽に、お子様からご高齢のご家族も一緒に語り合いながらご覧いただくのも、お一人で集中なさるのも面白いかと思います。 -
Q、収録の感想をお聞かせください。
西洋美術の歴史はこれまで難しい印象があり敬遠しがちだったのですが、佐藤先生によるラファエッロの作品のみならず、そこから派生した人間模様を含む新たな鑑賞ポイントを学ぶことができ、一気にそのおもしろさに引き込まれました。また松尾貴史さんの豆知識もそうだったの!?という発見がありとても楽しませていただきました。
Q、今回番組に出演され、何か新しい発見などはございましたか?
作家がどのような影響を受け、どんな作品が完成していくのかということを、模写の解説で知ることができたのが面白かったです。これまでに見た事のない歴史的にも貴重なデッサンなど、専門的な資料を見比べながら鑑賞できたこともよかったです。これからの美術作品鑑賞がより楽しみになりました。
Q、この番組をどのように感じてほしい、どのようにご覧いただきたいですか?
CGを駆使した番組の空間も楽しんでいただきながら、画家の人物像を深掘りし具体的なアプローチで西洋美術の一端を学ぶことができます。作品同士が結びついていく解説は必見です。また、現役藝大生もVTRで登場しますので、彼らの視点にもご注目を!なかなか国外へ行けない昨今ではありますが、新年の始まりに、この番組を通して、海外の名作鑑賞の気分を少しでも味わっていただけたなら幸いです。
二回まで観ました。この続きの放送をお願いいたします。