2026/11/02 18:30
エンタメ総合
NEW 現役医大生の双子ピアニスト・兄ーズ/Anniesが音楽を奏でる理由 難病の弟への思いを胸に「音楽で心を癒し、医者として心身を治したい」
トヨタロビーコンサートでピアノ演奏を奏でる兄ーズ(手前)山下宗一郎、(奥)山下順一朗 (C)ORICON NewS inc.
「音楽で心を癒して、医者として心身を治す。これが僕たちの一番の目標です」
そう力強く語るのは、双子のピアニスト「兄ーズ/Annies」として活動する山下順一朗さんと山下宗一郎さん。息の合ったピアノの連弾で聴衆を魅了するふたりには、音楽を奏で続ける理由がある。
実は、ふたりは現役の医大生。さらに、難病を抱える弟の存在が、音楽と医療という2つの道を歩む大きな原動力となっている。「弟の病気を治したい」「音楽で人を笑顔にしたい」。そんな思いを胸に、ピアニストとして、そして未来の医師として歩み続けている。
先月28日、東京都文京区のトヨタ東京ビルで開催された『トヨタロビーコンサート』に出演した兄ーズ。会場には、ふたりが奏でるピアノの音色とともに、温かな笑顔が広がっていた。
「今回のコンサートでは、来てくださった皆さんがすごく盛り上がってくれました。僕たちが一番大切にしているのは、皆さんと一緒に音楽をつくること。会場との一体感を大切にしているんです」と宗一郎さんは笑顔で振り返る。
今回で53回目を迎えた『トヨタロビーコンサート』は、1995年から続くトヨタの音楽文化活動。近隣の福祉施設の利用者や地域住民などに気軽に音楽を楽しんでもらおうと、トヨタの社員が手作りで開催している。「誰もが安心して音楽を楽しめるよう、車椅子利用者向けスペースや手話通訳、点字・拡大文字プログラムなど、多様なニーズに応じた鑑賞環境も調整。誰もが音楽を通じてつながる場づくりに取り組んでいる。」
兄ーズが今回の出演を決めたのも、コンサートが掲げる思いに強く共感したからだった。順一朗さんは「オファーをいただいた時に、障がいのあるなしに関わらず、どんな方でも楽しめるコンサートだと伺いました。それは、僕たちが音楽を通じてやりたいことそのもの。ぜひ演奏させてくださいとお受けしました」と明かす。
この日、会場には特別支援学校の児童・生徒たちも招待された。兄ーズが披露したのは、映画『となりのトトロ』の「さんぽ」や「夢をかなえてドラえもん」など、子どもたちにもなじみ深い楽曲。
演奏前には「皆さん、手拍子してください! 歌っても大丈夫ですからね」と呼びかけ、観客も一緒になって音楽を楽しめる空間をつくり上げた。ふたりの息の合った連弾に、会場からは自然と手拍子が生まれ、温かな一体感に包まれていった。
そんな兄ーズにとって、音楽は単に人を楽しませるためだけのものではない。
ふたりは小学生の頃から、病院や児童発達支援センター、保育園などでボランティア演奏を続けてきた。その活動を通じて、何度も音楽が持つ不思議な力を目の当たりにしてきたという。
「音楽を聴くことによって、体がよく動いたり、声が出たりすることがあるんです。そうした反応や変化を目にするたびに、音楽の力は本当にすごいなと実感しています」と順一朗さん。
宗一郎さんも、これまでの演奏活動で忘れられない光景があると語る。
「普段は寝たきりだったり、自分から体を動かしたり、声を発することが少ない子どもたちが、僕たちの演奏を聴いて、すごく体を動かしたり、声を出してくれたりするんです。一緒に来ている看護師さんやボランティアの方からも、そうしたお話を聞くことがあります」
そして、こう続けた。
「僕たちの演奏が誰かの役に立っている。それを直接感じられることが、本当にうれしいんです」
言葉を交わさなくても、音楽を通じて心がつながる。目の前の子どもたちが見せる小さな変化や反応こそが、兄ーズにとってピアノを奏で続ける大きな喜びとなっている。
そして、その思いは医師を目指す理由とも深く結びついている。
難病を抱え、重症心身障がいのある弟の存在。弟の病気を治したいという思いから医師を志し、一方で、ピアノの音色を通じて弟を喜ばせたいという願いも抱いてきた。ふたりにとって、音楽と医療は決して別々のものではない。
宗一郎さんは、音楽と医療が持つ役割について、独自の考えを語ってくれた。
「例えば、つらいことや嫌なことがあって、気持ちが落ち込んでいる状態をマイナス、普通の状態をゼロ、幸せな状態をプラスと考えた時、医療には病気やけがによってマイナスになった状態をゼロに戻す役割があると思うんです」
さらに、「でも、音楽にはゼロの状態から、もっと幸せなプラスの状態へと気持ちを動かす力がある。医療にも予防医療のように、ゼロからプラスへと導く考え方があります。音楽でも医療でも、人を少しでも幸せな方向へ、プラスの方向へと導いていきたい。それが僕たちのモットーであり、僕たちならではの強みだと思っています」と力を込める。
病気を治すことだけではなく、その人の心にも寄り添い、笑顔を生み出したい。音楽と医療の両方を学び続ける兄ーズだからこそ、描ける未来がある。
順一朗さんも、医療の現場で音楽が果たせる役割に大きな可能性を感じている。
「例えば、小さな子どもが注射を怖がっている時、その怖い気持ちを音楽で癒してあげることができたら、注射も頑張れるようになるかもしれない。音楽が医療に与える影響は、すごく大きいと思うんです」
そして、ふたりが目指す未来を、まっすぐな言葉で表現した。
「僕らは、音楽で心を癒して、医者として心身を治す。これが僕たちの一番の目標です」
ピアノの前では、聴く人の心に寄り添う音楽家として。そして、いつか医療の現場では、人の命と向き合う医師として。難病の弟への思いを原点に、音楽と医療という2つの道を歩む兄ーズ。ふたりが奏でるピアノの音色には、誰かを笑顔にしたい、誰かの力になりたいという、変わらぬ願いが込められている。
実は、ふたりは現役の医大生。さらに、難病を抱える弟の存在が、音楽と医療という2つの道を歩む大きな原動力となっている。「弟の病気を治したい」「音楽で人を笑顔にしたい」。そんな思いを胸に、ピアニストとして、そして未来の医師として歩み続けている。
先月28日、東京都文京区のトヨタ東京ビルで開催された『トヨタロビーコンサート』に出演した兄ーズ。会場には、ふたりが奏でるピアノの音色とともに、温かな笑顔が広がっていた。
「今回のコンサートでは、来てくださった皆さんがすごく盛り上がってくれました。僕たちが一番大切にしているのは、皆さんと一緒に音楽をつくること。会場との一体感を大切にしているんです」と宗一郎さんは笑顔で振り返る。
今回で53回目を迎えた『トヨタロビーコンサート』は、1995年から続くトヨタの音楽文化活動。近隣の福祉施設の利用者や地域住民などに気軽に音楽を楽しんでもらおうと、トヨタの社員が手作りで開催している。「誰もが安心して音楽を楽しめるよう、車椅子利用者向けスペースや手話通訳、点字・拡大文字プログラムなど、多様なニーズに応じた鑑賞環境も調整。誰もが音楽を通じてつながる場づくりに取り組んでいる。」
兄ーズが今回の出演を決めたのも、コンサートが掲げる思いに強く共感したからだった。順一朗さんは「オファーをいただいた時に、障がいのあるなしに関わらず、どんな方でも楽しめるコンサートだと伺いました。それは、僕たちが音楽を通じてやりたいことそのもの。ぜひ演奏させてくださいとお受けしました」と明かす。
この日、会場には特別支援学校の児童・生徒たちも招待された。兄ーズが披露したのは、映画『となりのトトロ』の「さんぽ」や「夢をかなえてドラえもん」など、子どもたちにもなじみ深い楽曲。
演奏前には「皆さん、手拍子してください! 歌っても大丈夫ですからね」と呼びかけ、観客も一緒になって音楽を楽しめる空間をつくり上げた。ふたりの息の合った連弾に、会場からは自然と手拍子が生まれ、温かな一体感に包まれていった。
そんな兄ーズにとって、音楽は単に人を楽しませるためだけのものではない。
ふたりは小学生の頃から、病院や児童発達支援センター、保育園などでボランティア演奏を続けてきた。その活動を通じて、何度も音楽が持つ不思議な力を目の当たりにしてきたという。
「音楽を聴くことによって、体がよく動いたり、声が出たりすることがあるんです。そうした反応や変化を目にするたびに、音楽の力は本当にすごいなと実感しています」と順一朗さん。
宗一郎さんも、これまでの演奏活動で忘れられない光景があると語る。
「普段は寝たきりだったり、自分から体を動かしたり、声を発することが少ない子どもたちが、僕たちの演奏を聴いて、すごく体を動かしたり、声を出してくれたりするんです。一緒に来ている看護師さんやボランティアの方からも、そうしたお話を聞くことがあります」
そして、こう続けた。
「僕たちの演奏が誰かの役に立っている。それを直接感じられることが、本当にうれしいんです」
言葉を交わさなくても、音楽を通じて心がつながる。目の前の子どもたちが見せる小さな変化や反応こそが、兄ーズにとってピアノを奏で続ける大きな喜びとなっている。
そして、その思いは医師を目指す理由とも深く結びついている。
難病を抱え、重症心身障がいのある弟の存在。弟の病気を治したいという思いから医師を志し、一方で、ピアノの音色を通じて弟を喜ばせたいという願いも抱いてきた。ふたりにとって、音楽と医療は決して別々のものではない。
宗一郎さんは、音楽と医療が持つ役割について、独自の考えを語ってくれた。
「例えば、つらいことや嫌なことがあって、気持ちが落ち込んでいる状態をマイナス、普通の状態をゼロ、幸せな状態をプラスと考えた時、医療には病気やけがによってマイナスになった状態をゼロに戻す役割があると思うんです」
さらに、「でも、音楽にはゼロの状態から、もっと幸せなプラスの状態へと気持ちを動かす力がある。医療にも予防医療のように、ゼロからプラスへと導く考え方があります。音楽でも医療でも、人を少しでも幸せな方向へ、プラスの方向へと導いていきたい。それが僕たちのモットーであり、僕たちならではの強みだと思っています」と力を込める。
病気を治すことだけではなく、その人の心にも寄り添い、笑顔を生み出したい。音楽と医療の両方を学び続ける兄ーズだからこそ、描ける未来がある。
順一朗さんも、医療の現場で音楽が果たせる役割に大きな可能性を感じている。
「例えば、小さな子どもが注射を怖がっている時、その怖い気持ちを音楽で癒してあげることができたら、注射も頑張れるようになるかもしれない。音楽が医療に与える影響は、すごく大きいと思うんです」
そして、ふたりが目指す未来を、まっすぐな言葉で表現した。
「僕らは、音楽で心を癒して、医者として心身を治す。これが僕たちの一番の目標です」
ピアノの前では、聴く人の心に寄り添う音楽家として。そして、いつか医療の現場では、人の命と向き合う医師として。難病の弟への思いを原点に、音楽と医療という2つの道を歩む兄ーズ。ふたりが奏でるピアノの音色には、誰かを笑顔にしたい、誰かの力になりたいという、変わらぬ願いが込められている。











