2024年5月 7日(火)
太田昌克の視点
『太田昌克の視点』
緩和継続 臥薪嘗胆の植田日銀
2024年4月26日(金)放送分より
日銀の植田総裁は4月26日、政策金利の据え置きなどを決めた金融政策決定会合後に会見を行い、円安進行に対して物価上昇率に大きな影響はないと述べた。当面は緩和的な金融環境が継続すると説明したが、会見中に円相場は1ドル=156円台後半に下落した。
(4月29日には一時1ドル=160円台と1990年4月以来およそ34年ぶりの円安・ドル高水準を付けたが、この後一転して155円台に上昇した)
番組キャスターで共同通信編集委員の太田昌克氏は「円安の最大要因は日米の金利差」と指摘。
太田氏が財務省幹部や首相周辺を取材して浮かび上がるのは、過去の失敗を繰り返すまいと慎重に"ほふく前進"する「臥薪嘗胆」の植田総裁像だという。
日銀は2000年と2006年にゼロ金利を解除して利上げするも、アメリカ経済の失速もあって再びゼロ金利に「手戻し」をした過去がある。
そもそも植田総裁自身が2000年時に「世界経済と勘案するとゼロ金利解除は時期尚早」と反対した経緯がある。
今回の決定は同じ轍を踏むまいとする植田総裁の経験則が働いたのかもしれないと、太田氏は指摘した。
しかし日銀が当面動かないとなると、為替相場は円安が更に進む可能性がある。日銀と財務省の為替介入の動きが、一つの重要な局面になるのか。
※このコーナーでは、BS11の報道番組で放送した内容を元に記事にして掲載しています。
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番組キャスターで共同通信編集委員、ジャーナリストの太田昌克が取材したネタを中心に、独自視線で語るコーナー。毎月第2・第4金曜日放送中。