2024年5月13日(月)
太田昌克の視点
『太田昌克の視点』
核のサーベル 強気のプーチン
2024年5月10日(金)放送分より
5期目をスタートさせたロシアのプーチン大統領は5月9日、モスクワ中心部の「赤の広場」で行われた第二次世界大戦でのドイツ戦勝軍事パレードでスピーチした。
「戦略部隊は常に戦闘準備ができている」
と、核戦略部隊の存在を強調するとともに、侵攻作戦を続けるウクライナや、支援する欧米諸国をけん制した。
さらに隣国のベラルーシも、戦術核使用の演習に参加すると明言。
「核のサーベル」をちらつかせ、NATO(北大西洋条約機構)の介入をけん制する「いつもの手」なのだが、これをロシアの常套手段だと笑ってもいられない。
プーチン大統領の強気の姿勢の背景には、ロシア優勢に傾く戦況があると、番組キャスターで共同通信編集委員の太田昌克氏は指摘する。
トランプ前大統領の影響もあり、米議会がウクラナイ支援の緊急予算をなかなか通せなかったなど、西側諸国の支援の遅れがウクライナ情勢の深刻化を深めている。
太田氏が、あるNATO加盟国当局関係者に話を聞くと「支援の遅れは大きな痛手」だと指摘。また、ロシア政府関係者を取材したところ「特殊軍事作戦は年内に終わり、秋からアメリカとロシア間で水面下の停戦交渉が始まるかもしれない」と余裕の表情だったという。
弾薬不足に苦しむウクライナだが、ここにきいて欧米や国際社会の支援も正念場を迎えている。
※このコーナーでは、BS11の報道番組で放送した内容を元に記事にして掲載しています。
一部情報は掲載の時期によって更新されることもありますので、予めご了承ください。
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番組キャスターで共同通信編集委員、ジャーナリストの太田昌克が取材したネタを中心に、独自視線で語るコーナー。毎月第2・第4金曜日放送中。