番組紹介
戦禍に埋もれてしまった“快挙の証”を求め、再びあの頂を目指す――
ナンダ・コート峰に挑んだ遠征隊に密着したドキュメンタリー
今から約80年前の1936年、堀田弥一隊長率いる立教大学山岳部と大阪毎日新聞社運動部、竹節作太記者を含む5人の登山隊がヒマラヤの聖峰、ナンダ・コート(6,861m)に初登頂しました。
その証として埋めた、立教大学校旗・毎日新聞社旗・日章旗の3旗を求め、立教大学山岳部OB2名を含む5人の登山隊がナンダ・コートに挑みます。番組では、当時の偉業を記録した貴重なフィルム映像と共に、再登頂プロジェクトの一部始終をお届けします。
▼番組プロデューサーからのコメント
この番組は、歴史に埋もれてしまった日本人の偉業にスポットを当てるとともに、その成功の証を追い求め、この秋、インド・ヒマラヤの聖峰に再挑戦した遠征隊のプロジェクトに密着した2時間のドキュメンタリーです。
約80年前、日本の若い登山家たちがヒマラヤの未踏峰ナンダ・コートの登頂に成功し、山頂に旗を埋めました。立教大学山岳部のメンバーと毎日新聞記者合わせて計5人の登山隊は、みな20代の若者でした。当時、世界の山岳界は英国やドイツを中心とした欧州勢に席巻され、極東の島国にとってヒマラヤ山脈は夢の世界。登山装備は貧弱かつ情報も不足、資金面でも困難を極めました。さらに、国内情勢は2・26事件が勃発し、平時から戦時へと移り変わろうという厳しい環境でした。そのような逆境をはねのけ、信念を貫き通して夢を実現した若者たちの快挙に、世界は驚かされました。しかし、本来であれば平成日本に語り継がれるべき偉業は、第二次世界大戦の業火に飲み込まれ、戦後の日本人の記憶から欠落してしまったのです。
今回、その快挙を再評価するとともに、登山家の大蔵喜福さんを隊長に、立教大学山岳部のOBなどで遠征隊を組織。80年もの間、山頂に眠っている成功の証を探しに再びナンダ・コートの頂を目指しました。
しかしながら今回のプロジェクトは、中印国境の軍事的緊張で希望した登山ルートを取ることができず、過去に1隊しか成功例のない難ルートからのアタックとなってしまっただけでなく、天候不順から濁流に行く手を阻まれて登山計画が大幅に狂うなど、奇しくも80年前と同様、苦難の道行きとなってしまいました。昭和初頭の若者たちが追い求め、手にした夢とは?また、平成生まれの若き隊員は今回の経験から何を得たのか?ぜひ、番組を通じて感じていただければ幸いです。
出演者・スタッフ
【登山隊メンバー】
大蔵喜福(隊長)
堀 達憲
鈴木拓馬
山田祐士
門谷 優
【ナレーター】
田口トモロヲ
再々放送を是非お願いします。命を懸けたロマンがそこにある番組もっともっと多くの人々に見て頂きたい。